性的少数者(LGBTなど)についての基礎知識を学び、多様な性への理解につなげようと、横須賀共済病院(神奈川県横須賀市米が浜通)で15日夜、医療関係者向けの出前講座が開かれた。性的少数者の支援や啓発に取り組むトランスジェンダーの飯田亮瑠(あきる)さんが講師を務めた。
飯田さんは、性的少数者に関して差別用語でなく学術用語を用いることの必要性を訴え、アイデンティティーが未確立な幼少期から思春期の子どもたちと接する際は、「客観的に決め付けず、『今』の悩みに耳を傾けることが重要」などと説明した。
かつて飯田さんが性自認について悩んでいた小中高校時代に、家族や友人、教師らに性別によらず個人として受け入れられたことがうれしかったと打ち明け、「味方になってくれる大人の存在が、大きな心の支えになる」と強調した。
講座は市人権・男女共同参画課が主催し、医師や薬剤師、ケースワーカーら約60人が聴講。「性の悩みのある子が訪れたとき、より深く寄り添えるように」との思いで参加したという同院の男性小児科医(45)は「今後も勉強して、理解と関心をさらに深めたい」と話していた。
市は昨年4月、性的少数者などのカップルをパートナーとして公式に認める「パートナーシップ宣誓証明制度」を開始。同課によると、これまでに8組が同制度を利用しているという。
飯田さんは「みんながそれぞれの立場でできることをやることで、社会の空気は変えていける。あらゆる人が互いに認め合い、当たり前のように一緒に暮らせる世の中をつくりたい」と意欲を示していた。
神奈川新聞社
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